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『おあいこ』
デパートの地下食品売り場に勤め、惣菜を売る中年男の主人公。ここしばらく毎晩のように買いにきてくれる客がいて、タイプの男だとジロジロ見ていると話しかけられる。
「もしかして、こないだの土曜の夜、中央公園にいなかったか?」
有名な発展場の話をされて、お互いそうだと確かめ合った。
「もうすぐ閉店時間だよな? よかったら、ええと、……これで一杯やらないかい?」
こうして気楽な大人の男同士の付き合いがはじまった。二人ともべったりするのが苦手な性格だからと、一対一で付き合うのではなく、気ままにやればいいと話がつく。それぞれ好きにやればいい、勝手にしよう、気が合う時に会えればそれでいいじゃないか、と。
「おあいこってことにすればいいさ」
よその男としたセックスの話を前戯に体を重ねる二人だったが、だんだんそれでは物足りなさを覚えてきて……。
初出『豊満』の短編。セフレ以上恋人未満の関係を描いた中年小説。
『舅の味』
年の離れた妻に請われ、舅と同居をはじめた主人公。見た目も言うことも下品な舅にゾッとしてしまう。舅は畳に寝っ転がって股をかき、放屁するような男。ジャージの前を膨らませた朝勃ちを見せつけて、
「見てみろ、わしなんかこの年でまだこうだぞ。朝はなかなかおさまらん」
と自慢気に言う。
風呂につかっていると、背中を流してやると舅が入ってくる。男に興味などなかった主人公だが、舅の押しの強さに負けて……。
初出『豊満』。二回連載だったものをひとつにまとめてあります。タイトルが変更されています。
『おあいこ』は主人公がデパ地下で働くおじさんなんですけど、
私事ですが僕の彼氏が昔、デパ地下で働いていまして、
そこからヒントを得て書いた話です。
小説とはまるで関係ありませんが、
彼氏とは十年前にとある発展場で出会ったんですけど、
ことを済ませた後に立ち話をしていたら、
実は前から顔を見知っていたと判明。
うちにお金があった頃、僕が母とよくデパ地下で買い物をしていて、
そこで働いていたおじさんが後の彼氏だったという逸話であります。
「平日の昼間に母親と買い物にくる男」ということで、
珍しく見えたらしく、彼の目についていたらしいです。
『舅の味』も『おあいこ』もオリジナルタイトルが不明で、
今回、なんとなくタイトルをつけました。
もちろんはじめはタイトルを自分で考えて作品に添えて編集部に送る、
というのがほとんどなんですけど、
編集部の方でタイトルを変えてしまうというのもよくあることだし、
そもそもタイトルをつけるのが苦手なので
「なんかそちらでつけてくださいよ〜」
と丸投げしてしまうこともあります。
あんまりこだわりがないんですね。
この作品は絶対にこのタイトルがいい!
と気張る時もありますが、
「変えていいですか?」と言われると、
ま、いっか。となってしまう。
で、これはほんと怒られそうですが、
僕は掲載誌を送られてきても、
自分の作品をそこで読み返すということをしないのです。
僕の中では、
書き終わった段階でもう終わったことになってしまうので。
もちろん、載ってるかどうかのチェックくらいはします。
だいたいは、ですが……。
正直に言うと、挿絵が好みだと目につきます。
つまり、パラパラと雑誌をめくっていった時に、
エロい挿絵があると「オオッ!」と手をとめるじゃないですか。
あのノリです。
それが自分の小説だった時に、「いいね〜」となる。
もちろん、好みとはちょっとちがうかなー、
という挿絵がつく場合もあります(問題発言?)。
でも、作品をあらわしてくれるだけでありがたい話なので、
「こんなのは嫌だ」と思ったことは一度もありません。
本当に、挿絵を描いてくださる画伯の方々には感謝しております。
そして文字と絵の組み合わせを考えてくれる編集者さまにも。
なにしろ挿絵がつかない小説というのは、
それだけで目に止まりにくくなりますもんね。
(僕自身が挿絵で読む、読まないを決めてしまう人間)
しかし一度だけ、笑っちゃった挿絵がありました。
小説の中で、息子が父親を犯すシーンがあったんですが、
その場面を描いてくれているはずなのに、
父親が息子を犯している挿絵なんです。
あれはびっくりしたなあ。
でもなんか、いい思い出になってますが。
今は亡き『薔薇族』での話ですし。
あ、話を戻すと、
掲載誌のどの号に自分のどの作品がのっているのか、
そういうことが把握できていないんですよ。
データ自体は出版社別でフォルダ作って入れてあるので
間違えることはないんですが。
なので、今回の二作品はオリジナルタイトルがよくわからない……。
というわけでした。
一度読んだかもしれない小説は読みたくない、
という方には申し訳ありませんが、
どうかあらすじで判断してくださいませ。
ほんといいかげんですいません……。
そしてこれを読んでイライラするであろう
編集者さま、ほんとすいませんです。
こちらにも注目です!
たくさんの小説、漫画、
エロい写真や動画も配信されてるので、ぜひ。
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