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例の如く、本文にはホテルの名前と部屋番号、そして時間が書かれていた。今からここを出て、ちょうど着くかどうかという時間だ。
私は怒りに身を震わせながらタクシーを拾った。そしてホテルの名前を告げた。
何度も部屋番号を確かめてから呼び鈴を鳴らした。だから出てきたのがサングラスの男でも黒田でもないことに驚きはしなかった。それにドアを開けた男は私を一目見るなりニヤニヤと笑い出したのだ。
太り気味で、顔中ホクロだらけで、唇の分厚い、脂ぎった肌の年配の男だった。一目で上等とわかるダークグレーのスーツを着ている。
どこか見覚えがある?
肩を抱かれるようにして部屋の中に招き入れられた。
「先生について歩いてるとこ、けっこうテレビや雑誌で撮られてますからなあ」
私はハッとして男の顔を間近に見直した。有名な代議士の秘書で、その代議士の腹心とか知恵袋と言われている男だ。名前はたしか沼津とか言ったはず。
「政策秘書の、」
「しかしまさかあんたのようなお人がこんなことしてるとはなあ。いや、憧れのお人やから、うれしいことですが」
標準語でしゃべろうとしながらも、京訛りなのかお国言葉が間に挟まれてくる。
何か言い返せと理性が訴えていた。脅されて仕方なくしてることだ、と。しかしそれを話したところで今の状況が変わるようには思えなかった。物静かな印象ながら、どこか押しの強い男だった。社会的立場のある身でありながら男の私を買ったのだから、私の言うことを信じたとしてもやめてくれるとは思えない。
絶望的な気持ちになっていた。よりによってこんなに気味の悪い、まるでガマのような醜い男に……。
「バスルームに用意してありますからな、着替え」
「え、着替え?」
沼津はにっこりと笑って私の尻を撫でた。私はゾッとして身を離し、そのままバスルームに行った。そうたいした格式もないホテルだが広々としたバスルームで、その豪勢な雰囲気に溶け込むように壁に紫色のドレスがかかっていた。
「あ……?」
まるで意味がわからなかった。凝った造りのバスローブなのかと思ったが、手に取るとフリルやレース、ビーズ入りの細かな刺繍の施された、上等なドレスなのだった。
「これを着ろってことか?」
口に出して初めて、どういうことなのか見当がついた。とたんに激しい屈辱感が腹の底で渦を巻き始めた。黒田やサングラスの男に縛られて殴られ陵辱され、これ以上ひどい状況はないと思ったはずなのに、それよりひどいことが起こるのだと思い知らされる。私の想像力など及ばない。
「化粧はしないでいい。最初だからね」
部屋から沼津が声をかけてきた。
私は震えながらスーツを脱いだ。服を汚されないだけマシだ、と自分に言い聞かせる。下着姿になってからドレスをハンガーからはずしてみると、ヒラヒラと小さな布切れが大理石の床に落ちた。それはレースの入った黒いパンティだった。
情けなさに涙が滲んでいた。それでも私は覚悟を決めていた。はやく終わらせることが先決なのだ。さっさと履き替え、ドレスを身にまとった。
「くそ……、」
鏡に映った自分の姿を見て、身体が勝手に震え出していた。縄をかけられ、吊るされた時の方が気持ち的にはまだ楽だったのかもしれないと思う。ああいうことはまだ、強引にされたと自分を納得させられる。しかし今は自分で服を着替えたのだ。自分で女物のドレスに身を包んだのだ。
「ノック、ノック」
沼津が声でノックをして入ってきた。そして私を背後から抱きすくめ、二人で鏡を覗き込む形になった。
「お綺麗ですなあ」
沼津のぶよぶよとした丸っこい手が私の身体をまさぐっていた。その様子を私は鏡ごしに見ていた。
それは異様な光景だった。
まるで自分が女になってこのガマのような男に抱かれようとしているような、政治家秘書に買われた売春婦であるかのような、そんな錯覚に陥ってしまう。
倒錯。
沼津の手が私の顔にかかった。後ろにねじられ、キスをされた。どうして逆らわないのか?と自分に問うていた。鳥肌で全身の肌が尖っているように感じられた。逃げ出そう、そう思った。
しかし沼津の口はミントの味がした。分厚い唇が吸いつくようにして私の唇の上をすべっていく。思いがけず滑らかな動きに驚かされている内に、ぼってりとした舌が口の中に入り込んできた。
奇妙なことと思うが、その味、感触すべてが魔理沙とのキスに似ていた。そっくりなのだ。私は顔をしかめて目を閉じた。しかしそうするとますます魔理沙との情事を思い出してしまう。魔理沙を抱きすくめキスを迫り、かたくなったところを押しつけている自分を。
宣伝、忘れてました。
変態プレイ満載の内容になったかと。
よかったらどうぞ。
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