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昔から、自分では悪いことをしたつもりはないのに、いつのまにか嫌われているのかな?という雰囲気が漂って
昔から、自分では悪いことをしたつもりはないのに、
いつのまにか嫌われているのかな?
という雰囲気が漂っていることがありまして。
口が悪い、態度が冷たい、
というせいもあるかと思いますが、
仕事に関していえば、
一匹狼っぽい態度がいけないんだろうな、と思います。
編集者サイドから見れば、
いろんな雑誌に原稿を送って書き散らすような人間より、
自分の雑誌にだけ時間かけて原稿を書くような
一途な人の方がかわいいに決まっている。
ゲイ小説に関して言えば、
昔はプロでやっていくなんてありえない状況で、
今だって人並みに稼ぐなんてまず無理です。
もうなくなってしまった雑誌だから暴露しますけど、
僕がデビューした『さぶ』の原稿料は
四百字詰原稿用紙一枚につき、700円でした。
ちょっと短めの作品だと30枚から40枚が相場の世界だから、
二万円ちょっとの稿料となります。
そこから一割の源泉。
たとえ短編とはいえ、
話を考えて、筋を作って、原稿を書いて、簡単にでも手直しして
とやったら、
特急で仕上げても三日はかかる。
普通に書いたら一週間。
それで二万円。
たとえ長いものを立て続けに書いても、
毎月掲載されるわけじゃないし、
お小遣い稼ぎになるかならないかのレベルというわけです。
『薔薇族』なんて、あの伊◯文学さんに
引き合わせてもらったことが一度だけあるんですけど、
いろいろにこやかにお話してくださった後に、
面と向かって言われた一言に凍りつきましたっけ。
「ところで原稿料なんだけど、払わないとダメですか?」
「え? どういうことですか?」
「タダにしてくれないかなあ?」
その時は、親切な編集者さんと一緒で、
「プロとしてやっているんだから、タダはないですよ」
とかばってもらえたけれど。
昔のことだからちゃんと覚えてないけど、
『さぶ』の倍はもらえなかったような記憶。
それでもタダよりずっといいですけど。
今となってはいい思い出とも言えるような、言えないような。
なくなった雑誌で言うと、
『アドン』というちょっとリブの入った薄い雑誌があって、
そのうち小説を送ってみようと考えている間に廃刊してしまった。
行動が遅くなったのは、送る前から原稿料がタダらしい
と聞いていたから。
しかし今となっては、思い出作りという意味でも、
一作くらいのせてもらいたかったかも。
小説とはまったく別の関係で、
編集長さんと関わりがあったので(性的な関わりではない)
話はつけやすかったんですけどね。
あ、でも……、結果的に嫌われていただろうから、
やっぱり無理だったかな。
いろいろあったんですよ。
くわしい話はそのうち書きます。
薔薇族の編集をやっていた方の紹介で、
ネット専業のゲイ雑誌が発刊されると聞いて、
小説を書いたこともありました。
十年近く前の話のはずだから、当時としては革新的な試みだったはず。
今だって有料のネットマガジンなんて流行らないのに。
しかしその企画、ちゃんと発刊されたのかどうかも定かでなく、
立ち消えに。
当然のごとく、原稿料もなし。
パソコン通信の時代からゲイのネットワークを作っていた
という会社の人がやってたんですけど。
わかる人にはわかりますよね。
小説の内容が悪かったのかもしれませんけど、
それならそれで連絡くらいくれればいいのに。
いきなり送りつけたんでなく、
紹介で、書きなさい、と言われたから書いたのに。
もっとも、お金を払うつもりもない相手に、
いちいち連絡なんかとらないか。
面倒だもんね……。
『シルバー』とかいったと思いますが、
十数年前におじいさん専門雑誌が何号か出ていて、
そこにも原稿を送ったような。
たぶん、のらなかったのかな。
よくわからない、というか、覚えていない……。
そして、その『シルバー』で編集をしていたとかいう
おじさんが独立して、
『ベンズ』とかいった、
やはりおじいさん専門雑誌を出していて、
原稿を送ったけれど、たぶんこれものらなかった。
というより、『ベンズ』自体がすぐに廃刊になった様子。
ただし、ここに送った小説は自分でもちょっと……、
と思った内容だったから、まあ、自業自得。
昔はとにかく原稿料が異様に安い、
もしくはタダが当然という業界だったわけですよ。
それでも小説を書く人はたくさんいたから成り立った。
みな、本業があって、サラリーマンとか自営業とか、
ちゃんと稼ぎがあり、
趣味としてゲイ小説を書いていた。
だから、原稿料をいくらもらえるかなんて
気にしてなかったんでしょうね。
時代が変わってきたのは、やはり『バディ』が創刊されてから。
初代編集長が立派な方で、小説の原稿料を引き上げてくれた。
これ以上、書いていいのかわからないので自重しますけど、
その後、『ジーメン』が創刊されて、
たしか僕が『さぶ』の次に原稿を送ったのが
『ジーメン』だったかと思います。
デビュー当時、大学生だった僕が『さぶ』の原稿料を知って、
「絶対にこの世界では食べていけない」
と諦めていたわけですが、
鍼灸の専門学校に通い出す頃に、
「それでもバイトにはなるかなあ」
と思って『ジーメン』に原稿を送ったら、
思っていたよりお金をくれて。
もちろん、たまに短い原稿をのせてもらったくらいでは
とても生活なんてできませんけど、
その後、『バディ』『サムソン』と原稿を送って、
採用されて、
それぞれの出版社さんとのつながりで
『SM-Z』『豊満』など
季刊の雑誌にも原稿をのせてもらえるようになり、
月に三本のペースでとにかく書いて、
とやっていた頃が僕にとっては唯一の黄金期でした。
その頃でも、
同年代のサラリーマンの平均年収に比べたら全然少なかった。
それでも今の収入の何倍もあったわけだから、
ほんとあの頃はよかったなあ。
しかしいつのまにかバタバタと雑誌が廃刊になり、
時代が変わって原稿料がどんどん下がって、
なぜだか特定の出版社からは嫌われて仕事をもらえなくなったり、
一時的に干されたり、
原稿料の支払いを忘れられたり
(もちろん要求したんですけど、結局無視されて終わり)
悪いことばかり続いて今に至る……。
はじめに戻りますけど、
「お金さえもらえればどこにでも小説書きます」
という態度がいけないんでしょうね。
かわいくない。
僕のような奴に対して、
「俺がなんとかしてやろう」
という気持ちになるはずもない。
でも、ほんと、お金のないこの業界で、
小説で食べていくなんてほとんど不可能なことなのだから、
なりふりかまっていられない。
結果として損しているような気もしますけど、
まあ、いまさらどうにもならないし。
ほんとは電子書籍サイトについて書こうと思ってたんですけど、
メチャクチャになってしまいました。
たまには暴露系の話もいいかと。
電子書籍に関してはまた明日かあさってにでも書きますね。
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