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[C420] Re: お久しぶりです。

返信遅くなってすいません。
返事したつもりでいました、、、

年取ると頑固になると言いますが、
さらに年をとると素直になるような。
うちの父は若い頃はちょっとこわい印象の人でしたけど、
今は世話されてやっと生きてるおじいちゃんですし。

来月出る新しいZにのる小説はいろいろマニアック要素が入れてあるので、
機会があったら読んでくださいね。
  • 2012-08-30 00:45
  • 小玉オサム
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『田舎の浮気男たち』さわり







 三人が並んで用を足していた。
 勢いよく尿を飛ばすのは竹園と岡部で、四十になった仲本はいくぶん尿が細くなっている。一番若い、二十九の竹園は尿が太く、手洗いの前に立つのも早い。三十代半ばの岡部が続き、遅れて仲本となる。連れだって小便をする時はいつもこの順番だ。二十代、三十代、四十代、年齢順で男たちは小便を済ます。
「こういうとこ入ったら、いつもどこで小便してる?」
 岡部が言った。手洗いの鏡越しに、他の二人の顔を見て、ニヤリと笑う。
「なんでそんなこと聞くの? 僕はいつも一番手前だけど。近いから」
 竹園は岡部の言いたいことがわかっていない。仲本は鏡に映った自分の顔を見て、白髪交じりの髪を直しながら答えた。
「私は一番奥だな」
「いかにも先生らしい答えだなあ。むっつりスケベ」
「だからどういう意味?」
 竹園がじれったそうに聞く。岡部はニヤニヤ笑い続けながら答えた。
「つまり、一番奥に立てば、手前側の男たちをじっくり見られるだろ。自分がし終わって手を洗いに行く間も、小便してる男の後ろ通るからな」
「なんだ、そういうこと聞いてたのか」
 竹園はようやく合点がいってにっこりと笑った。決して頭の悪い男ではないが、人とテンポのずれることがある。
「それで、岡部さんも一番奥なの?」
「いいや、おれは真ん中って決めてる。端を使うと間あけられるだろ。真ん中ならたいてい真隣りに男が立つし、右も左もどっちも見られる」
「性格出てるねえ」
 竹園がケラケラと笑った。仲本が苦笑して言い返す。
「真隣りに男が立ったって、ハッテン便所じゃないんだぞ。ここは田舎だ。チャンスなんかないじゃないか」
「そんなのわかんねえだろ先生。それに、やっぱ田舎の男ってのはあんまり隠さないから、右も左もちんぽがばっちり見えるしな。それだけでも御の字ってことで」
「いつもそんなジロジロ見てるの岡部さん? そのうち捕まるよ」
 三人で笑っている時だった。鏡越しに個室のドアが開くのが見えた。出てきたのは頭の禿げ上がった中年男で、目を丸くして三人をちらと見て、逃げるように手も洗わずに出て行ってしまう。
 三人とも黙り込んでいた。ドアが閉まる頃には、岡部の顔は赤く、仲本の顔は青くなっていた。竹園一人だけ、噴き出すように笑い出した。
「笑い事じゃないぞ」
 仲本が額に皺を寄せて言う。
「でも、知らない人でしょ?」
「たぶん観光客だな」
 岡部が答えて、竹園はなおも笑い続ける。仲本はますますむっつりと顔をしかめた。
 若いくせして、こういう時、一番、堂々としてやがる。泣き虫のくせして、案外男っぽいんだよな。
 岡部は、竹園の無邪気な笑い顔を横目で見ていた。その様子を、鏡越しに仲本がうかがっていた。
 トイレを出ると、とたんに辺りが騒がしくなる。ワイナリーの売店は大型バスで乗り付けた観光客で満員状態だった。となりにある付属のレストランで食べて飲んで、気分を良くした三人だった。初めて三人そろったのもここで、それをきっかけに、定期的にここで食事する習慣になっていた。
 三人は迎えがくるのを待って、売店の中をうろついた。仲本は妻の好むワインを選び、竹園と岡部は手持ち無沙汰にそれを見守る。岡部はちらちらと竹園の横顔を見ていた。そういう目で見ているつもりはなく、ただ、初めて竹園が押しかけてきた時のことを思いだしていた。
 それまでにも電話は何度かもらっていたものの、会ったことはなかったし、東京からこの片田舎に越してきて間もない頃に、突然押しかけてきた竹園だった。岡部は竹園を邪険に扱った。それでも竹園は岡部にすがり、話を聞いてくれ、どうすればいいのかわからない、もう元には戻れないのかな?と訴えた。
 元はお前が壊した関係じゃないか、と岡部は冷たく言い放った。そのとおりだから苦しいんだ、と竹園は泣いた。涙浮かべて話す竹園の若い顔に、放っておけないものを感じた岡部だった。だからこうして今も付き合いが続いている。
 こいつとは一度や二度セックスしてもおかしくない雰囲気になったこともあったんだよなあ。だけど、一度もなかった。
 そう思うと、ますますこの三人の付き合いが不思議なものであると岡部は思う。
 元は、同じ男を取り合った三人だった。かつて東京で四角関係を築いた四人の内、三人がこの片田舎に住んでいる。






ジーメンの編集様に渡してある原稿です。
三回連載の冒頭となります。


いつ掲載してくれるのかなー、、、、
はやくのせて欲しい。
そして一刻もはやく原稿料が欲しい。。。
(また金の話になっちゃった)






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[C420] Re: お久しぶりです。

返信遅くなってすいません。
返事したつもりでいました、、、

年取ると頑固になると言いますが、
さらに年をとると素直になるような。
うちの父は若い頃はちょっとこわい印象の人でしたけど、
今は世話されてやっと生きてるおじいちゃんですし。

来月出る新しいZにのる小説はいろいろマニアック要素が入れてあるので、
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  • 2012-08-30 00:45
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小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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