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『僕と君、オレとお前』



僕と君、オレとお前僕と君、オレとお前
(2014/07/02)
小玉オサム

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アマゾンKindleストアにて配信開始しています。


『僕と君、オレとお前』

     ♦ ♦ ♦

「あのさ、僕たち、ちゃんと付き合ってもいいんじゃないかなと思うんだけど」
 健次郎は体を起こして僕を見た。
「セックスフレンドじゃなくて、恋人同士になるってこと?」
「うん」
 健次郎はちょっと考える顔をした。僕は不安だった。健次郎と僕とじゃカップルとしては釣り合いがとれないし、こういうのがきっかけでセックスフレンドとしての関係さえ絶たれてしまうことだってある。タイミングだけが問題で、はやすぎた、それか遅すぎたって可能性もある。
「……ひとつ条件があるんだけど」
 健次郎は神妙な顔をしていた。僕は首をひねった。
「ん?」
「自分のことをオレって呼んで欲しいんだよね」
「え、つまり、僕が自分をオレと呼ぶってこと?」
「そう」
「なんで?」
「オレって感じの人じゃないと付き合う気になれないんだよね。それに、僕は自分のこと僕って呼んでるから、二人そろって僕僕って言い合うのも気持ち悪い」
 わかるような、わからないような話だった。たしかに自分をオレと呼ぶ男って男っぽい感じもするけど、実際付き合うとなったら関係なくないか? だいたい僕がオレになったからってそれは表面的な変化でしかないというか……。
「そのくらい、余裕だよ」
 とにかく付き合ってもらえるならと思って僕は笑った。ずっとこの年まで僕で通してきたのだから違和感はあるし、気恥ずかしかったけれど、僕は体を起こして健次郎の肩をつかんで言った。
「じゃああらためて言うよ。その、オレと付き合ってくれないかな?」

     ♦ ♦ ♦

「オレって感じの人じゃないと付き合う気になれない」
 モテ筋のセックスフレンドに告白すると、意外な条件を持ち出され戸惑う主人公。
 長年、自分を「僕」と呼んできた男が「オレ」と呼びかえる。たったそれだけのことと思っていたのに、少しずつなにかが変わっていく……。
 初出『バディ』。読み切り短編。





旅行にきています。
久々のバンコクでのんびり。

先週の終わりに、
もともと予定してあった父のショートステイを二泊から四泊にできると聞いて、
急遽、予約を入れました。


一昨日に着いたんですけど、マイルを使って快適、かつ安くすませる関係で、
三便乗り継ぎました。

羽田からシンガポール、シンガポールからホーチミン、ホーチミンからバンコク。

マイル使用なのでビジネスクラス。
うふふ。

はじめの二便はシンガポール航空だったので、まあ、目新しさはないんですけど、
手堅いサービスが安心。
そして最後の便だけ、トルコ航空。
初めて乗りました。

なんというか、飛行機のサービスってお国柄が出るような気がします……。
気のせいかもしれませんが、フランクというか、てきとーというか、
そんな印象。
気楽でいい、とも言う。

前から「トルコ航空は機内食がおいしい」という噂を聞いていたんですが、
それまでに機内食を二回に、ラウンジでつまんだり飲んだりを一日繰り返していたわけで、
断ってしまいました。

もっとも、短い路線(一時間くらいしか乗らない)なので、
サンドイッチしか出なかったんですが。

しかし夜もまだそう遅くない時間なのに、
ウエルカムドリンクが水かジュースだったし、
飛び立ってからもドリンクサービスがなかった……。

こんなビジネスクラス初めてでした。

あれ、正規のお金払って乗った人だったら、がっかりするんじゃないかな……。

ま、いつもマイルとか裏技的なやり方でしかビジネスクラスに乗らない、
乞食客(と言われているであろう)の僕が心配することじゃないですね。

そもそも正規のお金払えるお金持ちはそんなことを気にしないだろうし。






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小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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