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『こどもが好き』配信開始です。それと樋口めぐむさんのこと


こどもが好き (せつない話)こどもが好き (せつない話)
(2014/05/21)
小玉オサム

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アマゾンKindleストアにて配信開始しました。


『こどもが好き』


     ♦ ♦ ♦

 アパートの鍵を開けると、少年はうつむいたままおれの部屋に上がりこみ、狭い部屋の中で立ちつくした。おれも酔っていたから、次にどうすればいいのか一瞬思いつかない。それでも風呂場の電気をつけて折り戸を指させば、少年は黙ったまま棚の影にかくれて裸になる。おれはそれを見ないように寝間着を出し、風呂場の外においてやった。
 おれは冷蔵庫からビールを出して飲んだ。テレビを見ていると、少年がおれの寝間着姿で横に座る。おれはあわてて立ち上がった。
 やっぱりきれいになるとすっきりしたようだ。それでも髭がのびているから、なんだか妙な具合に見える。なにしろまだ生え始めて間もない髭だから情けない。
「おれも風呂入ってくるよ」
 言い残して風呂場に入った。この間に、金目のものを盗んで逃げ出すかもしれないな、と思いついた。だけどその方がいいような気もした。酔った勢いとはいえ、どうして見ず知らずの少年を拾ってきてしまったのか。

     ♦ ♦ ♦

 二十代の中学校教師が公園のトイレで家出少年を拾う。アパートに連れ帰り面倒を見ている内に何度も誘惑に負けそうになるが、教師としてのモラルがギリギリでそれを思いとどまらせる。主人公には一年付き合う彼氏がいて、しかしその関係はすでに冷め始めているがゆえに、家出少年のことを相談できない。学校には元教え子が実習生としてあらわれる。すっかり大人の男に成長した元教え子に手を握られて……。
 初出『バディ』。若い教師の戸惑いと誘惑にたたかう姿を描いた、青春小説風味。「せつない話」シリーズ三作目。読み切り短編。




またか、と思われそうですが、
この小説、今回、校正するので読み返したら、
内容すべて完璧に忘れていて、
まるきり他人の書いたものみたいに
先が読めませんでした。

すなわち、ひとの小説読んだような感想としては、
なかなかいいですよ~。
(なんちゃって)

もちろん、全部読み終わったら、
そういえばこんな話書いたような気がしてきた……、
と思い直しましたけど。

『バディ』さまに掲載していただいた時には
たしか違うタイトルに変更されたはずなので、
ご注意ください。

「こども」という言葉がタイトルに入ることを
配慮なさったんだったと思います。





先日、『バディ』やwebsite『g-ladxx』などで
小説を発表なさっている
樋口めぐむさんと会いました。

しかもわざわざ船橋まで来ていただいてしまって。

この業界って、漫画家さんは割と横のつながりがあるみたいなんですが、
小説の場合、そういうの少ない気がします。
(僕が孤独なだけかも……)

ありがちですが、業界内の情報交換とか
噂話とかたくさんして、
楽しかったなあ。


で、お目にかかる前に下調べしようと
樋口さんのブログを読んだんですが、
それがおもしろい!

下調べだけだったら五分も読んだら
もうやめちゃう僕ですが(めんどくさい)、
実際に会った後もまだ読んでます。
一日最低一回、多いと二回、
更新しているブログで、
それがどの日も読み物としてちゃんとおもしろい。
僕のブログと大違い……。

樋口さんは僕と同い年なんですが、
大学卒業後、就職先でいやな思いをして打ちのめされたり、
引きこもりの時期があったり、
社会復帰されたりと
いろいろあって、
そうした経験を赤裸々に書かれています。

相当な読書家で
書評もたくさんあります。

また、文芸小説家として身を立てたいという高い志と
思いのままにならない現実とを嘆く姿は
文章でも絵でも、
作家と呼ばれるような職業を目指す人には
親しく感じられるのではないでしょうか。


タダで読めるブログなのに、
このまま本にしてもいいんじゃないの?
というくらいおもしろくて、

ほんと、どうしてこの人にエッセイの仕事をさせないのか?
と不思議に思います。

もったいないなあ。


樋口さんはゲイ雑誌に発表されているエッチありの(なしのもあるらしい)
小説とまたべつに、
ゲイの登場する文芸小説を書かれています。

この間までアマゾンで売り出されていたんですが、
いまはg-ladxxでしか読めないのかな……?

僕はまだ『私小説のように』という短編しか読めてないんですが、
これ、ほんとにすばらしい。
暗くせつない、詩のような雰囲気の話ですが、
夜の海辺のような美しさのある文体が見事。
マルグリッド・デュラスというフランスを代表する女性小説家がいるのですが、
(映画『ラマン』の原作小説だったり、邦題『24時間の情事』の脚本担当として有名)
彼女の小説と雰囲気が似ていて素敵。
無料で読めます。



『バディ』さんで発表された作品は
『バディ』さんのサイトバディジェーピーで購入できます。

基本、ゲイ雑誌にふさわしいエンターテイメント作品のはずですが、
それだけに終わらないテーマも与えられた作品のようです。
(すいません、そっちはほとんど読んでない……)












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小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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