愛犬たち その一
おばあさん
目を細めている
彼氏宅はペット不可の団地なので、出入りの時はバッグに隠している。
ペット不可なのに、四匹いるという……。
ちょっと前になりますが、海鳴館の編集様からメールをいただきました。
それは、『豊満』が休刊になるというおしらせ。
海鳴館、と言ってもピンとこない方に説明すると、
デブ専雑誌の老舗である『サムソン』を世に送り出している会社で、
『豊満』というのは、さらに出力を絞って遠くに強烈な光を放つ季刊誌であります。
ひらたく言うと、「オヤジ専」のための雑誌。
オヤジ、というか、おじいさん、
というレベルの男性をこよなく愛する人のための専門メディア。
たぶん、定期刊行物としては世界でも他に類を見ない、
ちゃんとした質を保った専門誌だったかと。
僕も四、五年くらい前から小説をのせてもらっていて、
当然ながら登場するのはおじいさんやオヤジさんなわけで、
そういう年輩男性しか出てこない小説を書くというのは、
なかなか勉強になり、面白い体験でもありました。
それだけに、残念……。
(また収入が減る、という点でも)
しかしあくまでも「休刊」なので、
また復活したり、不定期で出たり、
なんてこともあるかも、と期待はしてますが。
(本音としては、すでに渡してある原稿も二本くらいはあるはずだから、
なんとか日の目を見て欲しいという……。)
出版業界そのものが厳しい時代になって久しいですが、
僕はひそかに、
ipadだとかkindleのような、
電子出版というものを後押しをするデバイスの登場に喜んでおりました。
というのも、ゲイ雑誌というものを買わない人々にその理由を聞くと
「ネットで十分な情報が得られるから」(ネタはタダで探せる)
という意見が一番多いかと思いますが、
それと別に、
「買うのが恥ずかしい」
「面倒くさい」
「手元にずっとおいておくのがイヤ」
「捨てるのが難しい」
という話もよく聞くのです。
そこで、ネットでデータだけを配信してもらえて、
見たい時に気軽に購入できる電子出版というのは、
まさにこういった人々にぴったりなのでは!
と考えていたわけです。
とくに、雑誌丸ごと、という形でなく、漫画とかグラビアとか小説とか、
もちろん情報欄とかコラムとか、
好きなものだけを好きなように選んで個別に買えたりしたら、
さらに気軽だし、手を出しやすくなるかも……、なんて。
しかしこの間、先日、ある人と魔女会議というものを開催した時に、
その話をしたら、
「でも、ipadってアダルトコンテンツ禁止ですよ」
と言われてしまって。
ショック……。
アップルって心が狭いのか……。
でもでも、ipadアプリとして、ibook(でいいんだっけ?)以外の、
電子出版コンテンツ再生ビューワーアプリが出れば……。
ちょっとムリかな。
小説だけ、と考えれば、kindleには期待しております。
kindleってアマゾンで売ってる物理的なデバイスだけのことを言うのではなくて、
アプリケーションとして、PC版やipod版やipad版もあるんですよね、たしか。
で、どのデバイスで購入した本でも、他のデバイスでも表示できるし、
ちゃんと続きから読めたりするらしい。
ipadのような液晶ディスプレイとちがって、
電子インクだから文字を読みやすいという利点もあるみたいで、
本当に読書が好きな人には向いている、らしい。
だからまあ、広がりはあるかなあ、とも思うけれど、
そもそもkindleって日本ではまるきり知名度も低いし、
日本語への対応がまだみたいだから、
どのバージョンでも実際に使ってる人っていうのが、少なすぎる……。
それに、たとえ日本で使う人が増えたとしても、
そういった電子出版のゲイエロ小説を買って読んでくれるのは、
おそらく圧倒的に女性だろうとも思うので、
となると、女性がkindle使うだろうか?と考えるとまた微妙で……。
というわけで、不安が募ります。
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