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『失業公園』『握り心地』配信開始です




失業公園失業公園
(2014/01/15)
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握り心地握り心地
(2014/01/15)
小玉オサム

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アマゾンKindleストアにて配信開始です。



『失業公園』

 …………………………………………

「いいだろ、やるだけなら。性格あわなくたって、体だけならいいと思わないか?」
「たとえそうだとしたって、あんたみたいのは嫌だね。うちには絶対に入れたくない。だいたいうちのククちゃんが人見知りして、うちに入ったとたん噛みつかれるのがオチ」
「ククちゃんってなんだ?」
「この子」
 二人そろって足下を見下ろした。するとさっきのちんくしゃ犬が俺の脛にしがみついて腰を振っていた。
「へんだなあ。この子、いつもはすごい人見知りして、知らない人にはやたら攻撃的なのに」
「だから動物にはわかるっていうだろ」
「なにが?」
「善良な人間は動物に好かれるんだ」
 険しい顔してジロジロにらんできやがった。疑ってるのかこいつ? ちんくしゃがまた俺の脛に腰をなすりつけてきた。
「やめろってばクク、もう!」
 ちっこい犬をひょいと持ち上げて抱きかかえた。そして俺の目も見ずに言った。
「とにかくさようなら」
「待てよ、いいんだろ、一緒に行っても」
「そんなこと誰も言ってません」
「冷たい奴だなあ、なあ、いいだろ」

 …………………………………………

 いつも自信たっぷりで仕事も男も思いのままと思い込んでいる主人公。たまたま夜の公園で出会った若い男とついたり離れたりの珍妙な関係を持つ。
 初出『バディ』。読み切り短編。ユーモアゲイ小説。犬も出てきます。





『握り心地』

 …………………………………………

 おれは両手使って握り心地を確かめた。熱くて、かたくて、弾力があって、ピクピク脈打っていて、湿っていて、太い、この握り心地……。またため息が出た。
 おれはこいつが大好きなのだ。男のチ○○ンほど握り心地のいいものがこの世にあるだろうか? そのうえ、握ってしごけばいっそうかたく張りつめたり、首を振って暴れたり、塩辛い○○○垂れ流したり、いいことずくめだ。ちなみに形や大きさへのこだわりはない。ついてりゃいいのだ。そりゃもちろん、太かったりかたかったりするとその分うれしいが、とにかく○って、おれの手にこたえてくれれば、たまらない。

 …………………………………………

 手コキ専門の男が主人公。とにかく握り心地が命。いろんな男のいろんなものを握ってそのたびウットリ……。オーダー専門の鞄職人だが、仕事ほっぽり出してハッテン場に通いつめている。そんな気ままな男が運命の相手と思うチ○○ンの持ち主と出会って……。
 初出『バディ』。読み切り短編。ユーモアゲイ小説。握り心地命のあなたに。





今回の二作品、どちらもちょっと不思議な読後感かも……。

初出『バディ』さんの小説はだいたい書いた順番で配信しているんですが、
今回の二つは続けて不思議感が強い。

今もそうなんですが、
僕は小説を書くための修行というか、勉強というか、
そういうのしたことないので(それが普通だろうけど)
起承転結というものをほとんど考えないで話を考えます。

僕なりに言うと、
「こんな感じでいいかな〜」
という感覚で話の流れを決めている。
(テキトーとも言う。いい意味で)

それでもここ五年くらいは
起承転結も少しは考えるようになってきたわけですが、
この二つは十年くらい前に書いたものなので
まるで考えていなかった。

この不思議感はたぶん、そのせいかと思います。


いつも配信するにあたって
校正するために読み返すんですが
(それでも誤字脱字などのミスはあると思います。すいません)
今回は二作品とも
「うわ、なんか変な話だな……」
と自分でも最初は思いました。

でも、最後まで直しを入れていく間に、
「これはこれでアリなんじゃないか……?」
と思えてきたので……、

よかったらどうぞ。




トボけた話の好きな人にオススメです。




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小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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