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『初恋』
同じクラスで、好きな奴がいる。
「おい、洋介!」
クラスのみんなはあいつを名前で呼ぶ。だけどオレ一人だけは田原と名字を使う。もっとも、直接話しかけたことなんて、二年生になってクラスが一緒になってから、ほんの何度かしかない。それもプリント配ったりした時に、後ろの席の奴としゃべっている洋介に、ケンカを売るような口調で言っただけだ。
「田原、はやくとれよ!」
洋介は驚いた顔で振り返り、後ろ頭に手をあてて、オレと目を合わせずに答えた。
「あ、悪い、ごめん……」
洋介はいつもこんな調子だった。ガタイはでかいし顔だっておっかない方だ。なのにオレがどんなにきつい言い方をしても、いつも本心から申し訳なさそうな顔をして、ごめんと謝ってくる。オレを怖がってるみたいに、目を見返すこともできずに。
………………………………
クラスメイトに恋をする。よくある話だが、相手が同性の男となれば簡単に打ち明けることもできない。素直に好意を寄せることも難しい。修学旅行でたまたま同じ班になり、二人きりで行動したことがきっかけで距離を縮める二人だが……。
若い男同士のウブな初恋物語。初出『サムソン』の短編。
『家族の嫌われ者』
リフレッシュ休暇を利用して、学生時代の後輩女性の家を訪れた主人公。信州でのんびり楽しもうとしか考えていなかったが、その家の主人である、女性の父親がズバリタイプのコワモテ親父だった……。
家族の嫌われ者である「親父さん」は口が悪く、態度も横柄で嫌われるのも無理はない性格。しかし見た目は男好きからしたらモテ筋で、主人公が無理に迫ると体を許してしまう。口では「やめろ、よせ」と言いながら、気持ちのいいことに逆らえないノンケ男の性。
初出『豊満』。掲載当時、二回連載だったものを一つにまとめてあります。
以前から『初体験』という小説を配信していますが、
もちろん違う小説です。
まぎらわしいタイトルですいません。
若い男の子たちの純情ラブストーリー。
あ、エロいことしてるから、純情でもないのか。
読んでいただければわかるように、
元は高校生のクラスメイト同士で、という設定だったんですが、
例のごとく、なにかに引っかかると嫌なので
「学校」という説明に直してあります。
若い男の子、とくにモサッとした若者好きな方にオススメです。
ちなみに小説の中で、
主人公たちが神戸に修学旅行に行くシーンがあるんですが、
とくに取材したわけではなく、
僕の頭の中のイメージの神戸を描いているので、
「こんなわけないぞ」と違和感を覚える場合もあるかと。
ご容赦ください。
『家族の嫌われ者』は
長野に実在するお友達のお父上をモデルに書いた話です。
家族にえばり散らしてばかりいる、嫌われ者の頑固親父を
主人公が性的テクニックで落として骨抜きにする、
ノンケ落としモノ。
モデルにしたお父上は実際、傍若無人なお人で、
昔から彼女(お友達)から悪口を聞かされていたんですが、
彼女の家に遊びに行った際に、
見た目がかなりイケてる親父であることが判明。
そこから思いつきました。
もちろん現物を僕がどうかした、ということはまったくありません。
あくまでもフィクション。
ノンケ喰いとかノンケ親父とか好きな方にオススメ。
どうでもいい情報かとおもいますが、
作者としては、父と娘が口喧嘩を繰り返すシーンが
楽しく書けました。
話かわりますが、
「ブーケット」とか「野郎フェス」という祭典をみなさんご存知でしょうか?
同人誌即売会(コミケ的な)の一種で、
「野郎フェス」はまあ、そのまんまな感じなイメージの作品を、
「ブーケット」はぽっちゃりとか山のような肉体であるとか、
そういうイメージの作品を発表するイベントみたいです。
たぶんマンガがほとんどで小説やゲームもあるような。
前から、そういうのに出展してみたいなー、
と考えてまして、
参加者の先生にひそかにお話を伺ったりしたんですが、
やっぱりハードル高そう。
それ用の小説を書くネタも、書く時間もあるんですけど、
自分で印刷の手配をして、お金を払い、
会場で手売りして、売れ残りを持ち帰る、
という一連の流れが、やったことないせいもあって、
なかなか大変そう。
よくわかってないんですけど、
同人誌の印刷で検索して見て回ると、
だいたい最低ロットが100くらいで、
100刷っても200刷ってもそんなに変わらない費用がかかる。
せめて元をとろうと考えると、
それなりの数が売れないととてもとても、な感じなので、
僕みたいな新参者がいきなり入っていっても
赤字で終わりそう。
そして在庫の山が残るというパターン。
それでもやればきっと楽しいんだろうなあ。
でもなあ、、、
どこからも検閲がかからないので、
雑誌やAmazonでは売り出せないような内容のものでも
好きに書けるという利点はあるわけですが、
買ってもらえないと意味ないし。
どなたか、行ったことある方、いらっしゃいますか?
2~3回ですけど。
蒲田に移ってからは遠くて大変でした。
中身はでぶ専オンリー同人誌即売会ですね。
若者系、獣系の物が多く、ゲームを出しているサークルもいくつかありました。
お客は若者がほとんどですがお年輩の方とかもいたりして、侮れません。
基本的にでぶ×でぶの人が多いようで、室温・湿度が結構な感じです。
その場で意気投合して、ホテルへ直行の方もいるとかいないとか。
コミケよりも手作り感のあるある、アットホームなイベントだと思いますよ。
一度、参加してみるのも良いかもしれませんね。
無理に印刷屋に頼まなくても、単価を100円くらいにして、コピー本でもありなのでは?