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インタビュー記事






ゲイ雑誌ジーメン最新号(12月号)にインタビュー記事をのせてもらってます。
前の記事で書きましたが
11月号から三回連載で『温泉やくざ』ものってます。

で、インタビュー企画は
単行本『NIGHT AND DAY』発売に関連したやつです。
まだお買い上げでない方、よかったらお願いします。

NIGHT AND DAYNIGHT AND DAY
(2014/09/30)
小玉 オサム

商品詳細を見る







一ヶ月ほど前からアマゾンでの配信のペースを不定期にしました。

二年くらい前から毎週、新規に配信してきたんですが、
いよいよ手元のストックが少なくなりまして。

気兼ねなく配信にまわせる原稿が
まだ十本くらいはあるはず。なんだけど、
一週、配信しない週をもうけたら、たちまち怠け癖がついて……。

それと、
雑誌掲載時のままだとちょっとな……、
校正だけじゃ足りないな、書き足さないと……
と思うような原稿もあって、
となるとますます面倒くさくなって後回しに。


僕は普段から気になることはメモするようにしていて、
そういうメモを拾い上げてふくらませて話を作って、
実際の原稿の六割くらいの分量になるプロットを書いて、
それを見ながら本番の原稿を書くというやり方をしてるんですが、
(こう書くとめんどくさいことをしているように思われるでしょうが、
その分、推敲は一度読み返すだけで二度はしない……)

そういうのはやりがいがあって
おもしろいわけですが、
推敲をあまりしないことからもわかるように
昔の原稿に手を入れたりなんだり、
そういうのは苦手。






デビュー作 『白黒』 




白黒白黒
(2014/10/15)
小玉オサム

商品詳細を見る



アマゾンKindleストアにて配信開始しています。


『白黒』


   ♦ ♦ ♦

 カーン、カーン、ダダダダダ。
 カーン、カーン、ダダダダダ。
「オーライ、オーライ……」
「昨日母ちゃんがなあ……」
「ちゃんと持てよ、ちゃんと!」
 男達の汗の匂い。男達の体臭。
 男は足場を組み立てるために、両腕を上げパイプを支えていた。そんな時、ふいに奴の声が聞こえてきた。はっとして振り返ると、奴はそう遠くないところで監督と話をしていた。奴は腰のタオルで顔と首筋に流れる汗をごしごしと拭いとりながら、監督の愚痴を聞いてやっていた。奴は体に力を入れ、太い足を踏張らせ、監督の話を熱心に聞き、いちいち首を振って答えていた。ものすごく人のいい男だった。逞しい男、がっしりと体のでかい男、男らしい笑顔見せる陽気な男。その黒く太い腕や力強い腿にはびっしりと男らしい剛毛が生え揃っているのを、男は更衣用のプレハブでいつも眩しそうに目を細くして見つめていた。顎にはいつも同じところに剃り残しがあり、その髭の濃さも男らしかった。奴の体からはいつも汗の匂いがした。男の汗の匂いがした。

   ♦ ♦ ♦


 小玉オサムデビュー作。
 初出は野郎系ゲイ雑誌『さぶ』(すでに廃刊)。1991年だったと思います。
 アート系ホモ土方小説につき、濡れ場はほぼありません。
 一種の実験小説であり、ホモポエム、ホモ哀歌、ホモの残酷物語な風味なので、物好きな方だけどうぞ。

 初の単行本『NIGHT AND DAY』発売記念として恥をさらします……。




上にあるとおり単行本発売記念で
デビュー作を配信することにしました。
かなり恥ずかしい内容。

もうほとんどポエム……。

よくこれを掲載してくれたな、と思います。
当時の『さぶ』編集長様に感謝(天を仰いで)。
初めて書いたゲイ官能小説がこうしてすんなり発表できたおかげで
その後があったのだと思います。
これがダメだったら「やっぱ無理か」と次は書かなかったかもしれない。

内容ははじめから最後まで暗いです。

今回、あまりにもひどいところだけ手を入れましたが、
あんまり直しちゃうとそれもズルいかな、
とも考えて、ほとんど発表当時のままになってます。
(単にめんどくさかったとも言う)


本日18日の夕方、おそらく四時前後から一日限定ですが
無料キャンペーンやってます。

実用的でない(抜くのが難しい……と思う)内容なので、
興味のある方は無料の内にどうぞ。







無料キャンペーン予告




予告です。


単行本『NIGHT AND DAY』発売記念として
僕のデビュー作『白黒』を一日限定で無料にします。
たぶん明日金曜日の夕方四時くらいから無料になるはずです。
ただし、さっき原稿を申請した段階なので、
もしかしたら明後日以降にずれ込む可能性もあります。

はじまる際にはあらためてこのブログとツイッターで告知します。


以下、『白黒』の紹介になります。





   ♦ ♦ ♦

 カーン、カーン、ダダダダダ。
 カーン、カーン、ダダダダダ。
「オーライ、オーライ……」
「昨日母ちゃんがなあ……」
「ちゃんと持てよ、ちゃんと!」
 男達の汗の匂い。男達の体臭。
 男は足場を組み立てるために、両腕を上げパイプを支えていた。そんな時、ふいに奴の声が聞こえてきた。はっとして振り返ると、奴はそう遠くないところで監督と話をしていた。奴は腰のタオルで顔と首筋に流れる汗をごしごしと拭いとりながら、監督の愚痴を聞いてやっていた。奴は体に力を入れ、太い足を踏張らせ、監督の話を熱心に聞き、いちいち首を振って答えていた。ものすごく人のいい男だった。逞しい男、がっしりと体のでかい男、男らしい笑顔見せる陽気な男。その黒く太い腕や力強い腿にはびっしりと男らしい剛毛が生え揃っているのを、男は更衣用のプレハブでいつも眩しそうに目を細くして見つめていた。顎にはいつも同じところに剃り残しがあり、その髭の濃さも男らしかった。奴の体からはいつも汗の匂いがした。男の汗の匂いがした。

   ♦ ♦ ♦


 小玉オサムデビュー作。
 初出は野郎系ゲイ雑誌『さぶ』(すでに廃刊)。1991年だったと思います。
 アート系ホモ土方小説につき、濡れ場はほぼありません。
 一種の実験小説であり、ホモポエム、ホモ哀歌、ホモの残酷物語な風味なので、物好きな方だけどうぞ。

 初の単行本『NIGHT AND DAY』発売記念として恥をさらします……。





『温泉やくざ』連載しています



「いっぱい出したね」
 片山はやたらやさしい顔で微笑んでいた。俺の目をのぞき込むようにして、ヒゲのそり跡濃い顔をまた何度も寄せてきて唇に唇をそっとぶつけてくる。眼鏡に俺の顔の脂がついてちょっと曇っていた。
「もうよせよ」
「嫌いじゃないだろ」
「なんでわかる?」
 片山は笑って体をはなした。いつのまにか俺のちんぽをスラックスの中にしまいこんでくれていた。
 どうもこいつが相手だと思うようにいかない。
 二人で駐車場に戻った。片山は自分の車に乗り込んでエンジンをかける。窓を開けて、まるで親しい相手にするように手を振っている。俺は少しでも反撃してやろうと呼びかけた。
「お前、まさかこんなことで交渉を有利にしてやろうとか考えてないだろうな」
「それはお互い様だろ」
 片山は笑って走り去った。
 まったく、なんともつかみどころのない、不思議な奴だ。
 不思議な奴、という印象は何度会っても変わらなかった。
 折衝で顔をあわせたり町で見かけたりするたびに、片山はますます親しげな態度をとるようになった。俺といい関係を築いて商談をうまく進めようというやり口なら、まだわかるのだ。しかしそんな感じじゃない。俺相手に下手な近づき方などできないと向こうもプロだからわかってる。かといって、腹を割って手の内を見せて飛び込んでくるという風でもない。壁はあるのだ。距離を感じる。なのに態度はやたらなつっこい。
 俺は片山茂という男のことを少しも理解できなかった。
 なのに、妙に奴のことが胸に引っかかるようになっていった。
 思えば初対面の時から、どこかちがうと感じていた。この男にはなにかある、と直感が告げた。あいつの目。眼鏡の奥の、どこかさびしげな、人を引きつける瞳。いつもまっすぐ俺を見つめてくる。にらんでくるわけでも、探っている風でもない。俺をおそれるがゆえのおびえた目でもない。そう、どこか楽しげな目。
 さびしげ、と思うのだ。なのに同時に、楽しげでもある。
 俺はちょくちょくあいつのことを考えるようになった。仕事相手のことだからと自分には言い聞かせていた。そうでなけりゃ理屈が通らない。それ以外、なにがあるってんだ?
(『温泉やくざ前編』より)



 温泉ホテルのロビーに入ると、すぐに片山の姿が目に入った。片山は一番奥まったソファに座っていて、六井商事の連中となにやら話し込んでいた。みな似たようなダークスーツ姿で片山だけ目立つはずもないのに、回転扉をくぐったとたん、パッと目に飛び込んできた。
 片山の方はしばらく俺に気づかなかった。話に夢中の様子で、男たちの顔を見渡している。だから俺は二分か三分、遠目にだが片山の姿を見つめていることができた。胸が熱くなっていた。
 俺はお前に惚れているぞ。
 片山が笑っていた。さわやかに笑ってまわりの男たちの顔を見回している。それから俺に気がついた。俺を見て、いっそうやさしげな笑みを浮かべ、立ち上がる。ゆっくりと歩いて俺に近づいてくる。その目。お袋にそっくりな目で俺を見てくれる。マザコンもいいとこだな、と俺は内心苦笑した。いい年をした元極道が……。
「向こうにいるのが大野建設だ」
 片山は俺の前に立つとさりげなくフロントの方に顔を向けた。俺もちらりと目だけ動かして見る。四人か五人、スーツと作業服姿の男たちがかたまって立っていた。ぱっと見はごく普通の建設業者だが、なにか裏があるのは間違いない。吉野が俺や親父になんの説明もなく引き入れた会社だった。本来、病院建設に関わる業者はほとんど深大寺組の息のかかったところになるはずだった。つまり、吉野にとっても身内になる。なのに吉野は唐突に名前も聞かない会社を呼び入れた。今日は病院本体の建設を各事業者がどう分担していくかを話し合うための会合が開かれることになっていた。
「いくつか裏がとれた情報がある」
 片山がそう囁くように言った時だった。六井商事の連中が片山を呼んでいた。携帯を手に掲げている。誰かから大事な電話らしい。
「会議室で聞こう」
「わかった」
 片山が会社の連中のそばに戻っていく間に大野建設の連中もぞろぞろと移動をはじめた。会合をはじめる時間が迫っていた。俺も会議室に行こうと歩き出した。そこでいきなり肩をたたかれた。振り返ると吉野と水木が目の前に立っていた。俺はぎょっとして反射的に後ずさろうとした。しかし吉野が俺の肩を抱き寄せた。
「木村さん、これ」
 吉野が上着の内ポケットからビニール袋を取り出した。中を見ると黒いボール状のものがいくつか入っている。どれも細いケーブルでつながっていてなんなのかわからない。それでもイヤな予感がしていた。
 吉野が俺の耳に息を吹きかけながら言った。
「ケツに仕込んでおけ」
「……あ?」
 不思議とどういうことか一瞬で把握できた。そういえば色がピンク色のものならAVで見たことがある。ローターというやつだ。全身が恥辱と怒りで熱くなった。
「これから大事な会合があるんだぞ?」
「どうせあんたの出番はないさ。みんなおれの言うとおりにするしかないんだから」
「ふざけんな」
「口の利き方に気をつけろって言ったろ? こないだのビデオ、よく撮れてたぞ。カメラ三台使ってたからな、編集するだけでずいぶん楽しめたよ」
 全身に鳥肌が立った。背中を押されるまま俺は歩き出していた。ロビーの裏にある便所の前で吉野は煙草をくわえた。便所の前に喫煙所がある。
「おい水木、ちゃんと入れるとこ確認してやれ」
 俺は水木にうながされて便所に入った。たまたま他の客はいない。だから水木は当たり前のように俺の背中を押して個室の一つに入った。豪勢な便所で、男二人でもそう狭苦しくもない。淡い光に照らされてあたたかい雰囲気だが、そこで見ても黒いローターは異様でまがまがしい。
「おい、入れたってことにしろ」
 俺は水木を見下ろしてにらみつけた。以前の水木ならこれだけでビビッて口もきけなくなるはずだった。しかし今はニヤケ笑いでローターを手にぶらさげて俺をまっすぐ見返している。
「兄貴、濡らすと入りやすくなりますよ」
「てめえ……」
「吉野さんの命令なんスよ?」
 水木は俺の口にローターを押しつけた。俺は水木を殴りつけようと身構えた。
「深大寺組のためスよ」
 組のため。
 とたんに組の連中の顔が次々と浮かんでくる。佐倉と嫁さんは一度流産したせいもあって赤ん坊を心待ちにしている。石井は若いのに結婚すると張り切っている。事務所でピンポンに夢中になっていた奴らの笑顔……。
「……んう」
 俺は口にローターを頬張った。ひとつひとつは小さいが、全部で三つもあるのだ。ゴム臭いそれに唾をまぶし、吐き出すと、水木が言った。
「ズボンおろしてください」
「くそ……、あううっ!」
(『温泉やくざ中編』より)





 現在発売中の雑誌ジーメンの十一月号から
『温泉やくざ』(全三回)の連載が始まっています。


かつては近県にその名を轟かせていた深大寺組が
カタギの会社になって二十年。
山間の温泉地を拠点として源泉管理や解体業など地道にやってきたが
東京の大手商社、六井商事がぶち上げた
温泉病院建設という大事業に食い込もうと躍起になっている。

組長の片腕として深大寺組を背負っている木村は男好きでS気がある。
私生活では決まった相手と続かない遊び人だが、
剛胆で男気があり、男の中の男として
組の舎弟たちからは絶対の信頼を寄せられている。

そんな木村の前に、六井商事が送り込んだフィクサー
片山があらわれる。
六井商事は元極道の深大寺組と腕を組みたがらず、
片山を交渉係として送り込んだのだった。

顔がこわく入れ墨を背負った木村と比べ、
片山は見た目こそ優男だが肝が据わっている。
町営の露天風呂で出くわした二人は関係を持つが、
同じ頃、組町深大寺清三の跡取り息子、
吉野典明が留学先から帰国し、
物語は意外な方向に進んでいく……。



てな感じのお話です。

ヤクザものなのでハードな雰囲気になりがちですが、
それだと読みたがらない方も多いかと思いまして、
ソフトな部分も多く取り入れています。

舎弟たちは愉快な仲間たちな雰囲気ですし、
恋愛要素としてはかなり純愛で、
BLに近い部分もあるかと。

そしてヤクザものなのでもちろん調教シーンも満載。

組を背負う責任感の強い主人公の恋と調教の物語。

ぜひジーメンをお買い上げの上、読んでいただきたいです。



ちなみにただ今、後編を書いてます。





単行本『NIGHT AND DAY』発売しています


ナイトアンドデイ幅500






単行本『NIGHT AND DAY』販売がはじまりました。

雑誌ジーメンに掲載された
『マイクを前にした歌手』二編と
単行本化にあたって書き下ろした最終章
をあわせたものになっています。


購入はこちらなど。

G通販光房
http://www.gproject.com/store/

ヨドバシドットコム
http://www.yodobashi.com/


ちなみにアマゾンはまだ入荷してないみたいです。
(商品情報は出てくる)
時間差つけてるのかな……。
よくわからないですが。




母と旅行してきました。
北海道の知床辺り。
根室中標津空港から入って
レンタカーで知床半島や摩周湖とかまわって最後は網走。
女満別空港から帰ってきました。

父の退院が見えてきたので、かえっていいタイミングだなと。

父が家にいる時でも、
月に一度か二度はショートステイで出かけてもらっているので、
旅行することは可能なんですが、
僕と母と二人とも家を留守にする、
というのはちょっと不安でできない。

出かけている間にショートステイ先でなにかあったら
面倒なことになるし。

僕はいつも一人旅してるのでいいんですが、
母はなかなか一人じゃ出かけない人で、
このまま母自身が介護される時期がきたら
気の毒というものあり、
誘ってみました。

正直に言うと、
母と二人なら普通に温泉旅館に泊まれるし
(お一人様は受け入れないとこも多そうだし間違いなく割高料金をとられる)
レンタカー代も割り勘にできてたすかる、という計算もあり。

久しぶりに大自然ないろいろが見られて満足でした。
レンタカーで野良鹿をひきそうになった時は
ビビりましたが……。



ちなみに犬たちは彼氏に預かってもらってました。
こういう時ほんとたすかる。
ありがとうございました彼氏。



で、旅行写真。


牛。




なんとかいう木が海水で立ち枯れているところ。トドワラだったかな。
でもこれはトドワラではなく、なんとかワラ。




くまかわいい。




知床五湖、だったかな。忘れた。そのそば。湖は映ってません。




船にのったよ。




船着き場のそばのなんとか岩。上までのぼれる。すごい疲れた。




自然遺産な滝。潮吹きを連想させられる……。




上のなんとか岩からの眺め。




なんとか池。摩周湖のそばなんだけど普通の展望台とは離れたところでかなり距離がある。




なんとか温泉駅の駅舎を利用したというオシャレカフェ。

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硫黄。例の噴火の直後だったのでなんかこわかった。硫黄にまみれて死にたくない。




砂湯。どこでも掘れば温泉が出てくる。




足湯に入っても寒くて日本一おいしいソフトは食べられなかった。
飲める温泉は母によると砂の味がするらしい。




屈斜路湖を眺め下ろしたところ。

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ほんの数秒で雲の中に。

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五寸釘のひと。有名なおじさんらしい。
監獄博物館、想像以上の規模でテキトーに見ても二時間かかるよ。
すばらしいんだけど、人形たちがけっこういいかげんで、
あきらかに普通のマネキンでしょ?という個体もかなりあった。
しかしまたいつか行きたい。









Appendix

プロフィール

小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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